プロジェクターと聞くと、企業や学校などの会議室などで導入するイメージがあったが、最近では簡単に家庭で本格的に映画やスポーツ観戦を楽しむためにホームシアターシステムを構築することができるようになってきた。
それでもまだまだ初期費用(プロジェクター・音響システム等々…)の高さや、ホームシアターシステム構築の敷居の高さを感じることからプロジェクターの導入に足踏みをしているユーザーはいるのではないだろうか。
僕自身、プロジェクターか大画面ディスプレイどちらかの購入を検討した際に、”イメージや先入観”でプロジェクターの導入のほうが色々準備もしないといけないし、大変だろうから無難に大画面ディスプレイを購入しておこう。そう判断したことがある。
こういった選択は間違ってはいないかもしれないが、プロジェクターに関することをもう少し知っていれば、その時の選択は変わっていたかもしれないと今回の経験を通じて感じた。
確かにプロジェクターの価格は上はキリがないほど高価なものもあるが、最近では安価なものでも本格的なものが出てきている。
今回は、比較的安価で本格的なホームシアターシステム構築をする際に最も良い製品の1つ「BenQ TK800」4Kプロジェクターを使ってみて感じたことを紹介してみたいと思う。
通常プロジェクターを使う際は、部屋を暗くした状態でスクリーンに映像を映し出すことが一般的だ。
しかしこのBenQの「TK800」は、暗い部屋での使用はもちろん、明るい部屋での快適な視聴も実現する。
目次
「BenQ TK800」の特徴
BenQの「TK800」は2018年4月にリリースされたばかりの新製品で、4K HDR対応の最新プロジェクターだ。
最大300インチもの巨大スクリーンに投影可能なパワフルさは3000ルーメンの輝度によって実現される。
この「TK800」には様々な映像モードが搭載されており、中でも「フットボールモード」と「スポーツモード」がこのプロジェクターの特徴的な機能の1つだ。
そのことからBenQの「TK800」はBenQではホームエンターテイメントというカテゴリーに分類される。
先程このプロジェクターは明るい部屋での使用も快適に行えることを触れたが、これは「フットボールモード」や「スポーツモード」での映像モードを選択時に真価を発揮する。
また縦自動台形補正機能が搭載されていることで、プロジェクターの設置がとても楽に感じた。縦は勝手に調整してくれるから、横の高さを合わせるだけで良いのだ。
「BenQ TK800」のスペック
「TK800」の主に使用する入力ポートには、HDMI端子が2つ、そしてPCのD-subが1つ搭載されている。
HDMIは2つ搭載されているが、それぞれ対応規格が異なる。1つはHDMI2.0、HDCP 2.2に対応しており、4K60Hzの美しい映像を映し出すことができる。
もう1つのHDMIは残念ながらHDMI2.0には対応しておらず、HDMI1.4a、HDCP1.4対応のポートとなっている。
この点は「TK800」を頻繁に複数デバイスで使用するユーザーにはちょっと面倒かもしれない。
その面倒を解決するためにはHDMIスイッチャーを用意することで、解決することができる。
その他の「TK800」のスペックや、搭載ポートなどは以下の通りだ。
「BenQ TK800」のデザイン
「TK800」のデザインはミニマリストも喜びそうなほどシンプルで無駄がなく、美しい。
主に白を基調とした筐体に、スカイブルーのような明るくそれでいて落ち着いた青色が特徴だ。
デザインがシンプルなだけでなく、「TK800」は軽量で持ち運びも大変ではないだろう。
大人であれば、よほど長時間持っていない限り、もう持てない。なんてことにはならないはずだ。
「BenQ TK800」の使い方や設置、及び調整方法
「TK800」の使い方は至ってシンプルだ。
コードを繋いで、電源を入れて、ピントを合わせる。これでおしまい。
さすがに、これだけじゃあんまりなので、もう少し噛み砕いて説明する。
接続デバイスとプロジェクターを接続
「TK800」を使いたい場合、接続したいデバイス(PCやPS4、Chromecast等)をプロジェクター背面の入力ポートに接続する。
プロジェクター本体の電源を入れる
接続機器とプロジェクターを繋いだら、プロジェクター本体「TK800」の電源を入れる。
電源はプロジェクター本体上部に配置してあるボタンで起動させても良し、付属のリモコンを使用しても良し。
僕はプロジェクター本体のボタンを使用したことはほぼない。「TK800」に付属しているリモコンはかなり便利で機能的だ。
プロジェクターの電源を入れると、暫く経つと「ピッ」と音がなりスタンバイ状態?に移行する。
すると「TK800」は自動で入力ソースを判断して、最適な映像をスクリーンに投影する。
ここで想定したポートから入力されない場合は、先ほどと同じ本体のボタン「SOURCE」を押して、最適な映像ソースを選択するか、リモコンから同様に最適なソースを選択することで映すことができる。(レンズを保護するキャップは外しておくように)
ピントを合わせる
プロジェクターから映像が映った!さて、スポーツでも見るか!
おっと、ピントが合っていない。
すべてのプロジェクターに共通していることだが、ディスプレイとの最大の違いでハードルが高くなっているのはこの点かもしれない。
プロジェクターを初めて設置すると、映像のピントを合わせて上げる必要がある。
だが心配しないでほしい。簡単だ。
「TK800」本体上部に配置してある、ピント調整のダイヤルを左右に動かしながら映像を見てみると、あ「あ、ここだ!」ってのが直ぐに分かる。
「TK800」には2つのダイヤルが搭載されているが、ピント調整機能は上部の「FOCUS」と書かれた方のダイヤルだ。
下部に配置されているのは光学ズーム機能だ。これを調整してピントを合わせることで、同じ距離にプロジェクターを起きながら、最大1.2倍まで投影するインチ数を大きくすることができる。
改めて順序を解説しておく。
- 接続デバイスとプロジェクターを接続
- プロジェクター本体の電源を入れる
- ピントを合わせる
プロジェクターの投影位置を調整する方法
「TK800」には筐体下部に高さを調整する脚が搭載されており、その脚を伸ばしたり縮めたりすることでより細かく投影箇所を定めることができる。
もう少し高い位置に映したいなあと思うときは、プロジェクターの前中央に配置されている脚を伸ばしたり縮めたり調整できる。
この脚はボタンを押しながら引き伸ばすことができる。
高さが調整できたら次は横の傾きの調整だ。プロジェクターの高さは決まっても横の高さが水平でないと見ていて違和感を感じ、気持ちよくない。
横の傾きを調整するための脚は後ろ側に配置されており、こちらはボタンではなくクルクル回すことで調整することができる。
配置する場所によって、左右の高さには微妙な差が生じるため、左右それぞれが独立して調整できる点は良いと感じた。
明るい部屋でも家族で使えるプロジェクター「BenQ TK800」の実力
まずは明るい部屋で「TK800」を使ってみた
プロジェクターの設置が終わったところで、早速「TK800」を使って様々な動画を見てみることにした。
僕は今回Chromecastを使用して、プロジェクターに映像を映すことにした。
Chromecastのようなキャスト系ガジェットと、プロジェクターの相性、滅茶苦茶良いからもっと多くの人に知ってもらいたい。
「TK800」はホームシアターではなく、BenQがホームエンターテイメントという括りにしていることからも、主にスポーツ観戦時に他のプロジェクターとは異なる強みを見ることができる。
明るい部屋でも見れるとは言うけど、プロジェクターが本当に力を発揮するのは暗い部屋でしょ?とちょっと疑いながら投影モードを「フットボール」に設定し、サッカーを見てみることにした。
写真だと部屋自体が暗いように見えてしまうかもしれないが、リビングで投影しているため普通に明るい部屋である。
写真だけを見てもらった感想はどうだろうか。
僕は素直に凄いと思った。明るい部屋でここまでの明るさ、色の表現を行うことができれば十分映像を楽しむことができる。
投影モードを「フットボールモード」や「スポーツモード」にすることで、芝生の色味や選手の肌の感じがとても豊かに表現できるようになったと感じる。
「TK800」には5Wのスピーカーが搭載されているが、このスピーカーも様々なモードを選択することが可能だ。
上記のようにサッカー等のスポーツ観戦時は、スピーカーも「フットボールモード」か「スポーツモード」にしておくとよいだろう。
この2つのモードは現地の観客の盛り上がりが感じられる良い味付けだと感じた。
「TK800」は投影モードもスピーカーのモードも選択によって見え方、聞こえ方が全く違う。
この点は用途が様々なユーザーにとっては切り替えが面倒かもしれないが、色々な味付けを楽しむことができる、と捉えることもできる。
また、照明をつけたり消したりしてみると分かるが、やはり「TK800」を含むプロジェクターが最も力を発揮できるのは、暗い部屋での使用だろう。
プロジェクターを投影するスクリーンや壁が白色だと、どうしても色が拡散されてしまい若干白っぽく感じてしまう。(見比べると)
明るい部屋での使用を主な用途と考えている場合は、投影するスクリーンや壁を黒色のものを使って欲しい。
こうすることで明るい部屋でもかなり色の表現が豊かに、綺麗になる。
映画は暗い部屋が良いけど、「TK800」で見る映画が凄すぎ
僕が「TK800」を使っていて、最も驚いた部分は部屋を暗くして視聴した映画だ。
迫力、色の表現、質感、どれをとっても驚きだった。
大げさだなあと思うかもしれないが、引き続き読み進めてもらいたい。「TK800」の凄さが分かるはずだ。
僕がオススメする映画を見る際の投影モードとスピーカーモードは、どちらも「シネマモード」だ。
投影モードを「シネマモード」にすることで、色の深みと落ち着き?を与えてくれるのか、とても見ている映像に引き込まれるように感じた。
上手く説明する言葉が見つからないが、引き込まれるというのが正しいように感じる。
スピーカーモードを「シネマモード」にすると、先程のスポーツモードのような会場の歓声を楽しむものとは全く別の音を聞かせてくれる。
プロジェクター内臓とは思えない程、低音がしっかりとなっており、高音も問題なく出ている。
スピーカーはどのモードも共通して言えることではあるが、スピーカー音量をある程度出してあげないと迫力のある音とは呼べなかった。
逆に音量をある程度のボリュームまで上げてあげることで、内蔵スピーカーってここまで鳴るのか!?と言うほど心地良く、盛り上げてくれる。
映画だけでなく、音楽の視聴もこの「シネマモード」で十分楽しむことができると感じた。「TK800」にはユーザーモードを選択することでイコライザーを自分で設定することも可能だ。
映画を見るときの設定も無事終わったところで、早速色々試してみた。
これは映画の映像ではないが、分かるだろうか。この色の表現。
「TK800」を暗い部屋で投影すると、信じられないほど色の表現が美しい。
それもそのはず「TK800」は先程のように明るい部屋でも楽しむことのできるパワー(3000ルーメン)を持っているのだから、暗い部屋でそれを使うと滅茶苦茶綺麗だ。
特に赤と緑の色の表現は圧巻だ。色だけでなくツヤ感の表現も申し分ない。
僕の大好きなマッツ・ミケルセンもこの渋さ。
しかしながらプロジェクターで普段はできない大きさで見れる映画、楽しすぎる。
結局の所、ホームシアターシステムを構築するのはこれが理由だ。普段は感じることのできない体験ができる。
「TK800」プロジェクターで映画を、友人と見たりしていたが二人共終始「凄いねコレ」と言っていた。
僕も同意見だ。
まとめ
BenQのプロジェクター「TK800」の魅力は伝わっただろうか。
「TK800」は設置・設定・映像美・コスト、どの点を持ってもオススメできることからもホームシアターシステムを初めて構築する際には、最も有力な候補の1つになるのではないだろうか。
本格的なホームシアターシステムを構築するとなると平気で100万円レベルになってしまうが、「TK800」は14万円程で自宅に快適に映画を楽しむ環境を作ることができる。
100インチを超える大きさで、しかも家でくつろぎながら見る映画、楽しくないわけがないのだ。
より本格的なホームシアターシステムを構築する際は、別途スピーカーを容易することが一般的で、予算に余裕があるのであれば、別途スピーカーを用意することがより良い環境は作れるだろう。
しかしホームシアターシステムを初めて構築する場合や、予算に限りがあるけど自宅で映画やスポーツ観戦を楽しむ環境を作りたい!という場合は「TK800」の質の良いスピーカーを利用すると良いのではないだろうか。