Appleは9月に3種類の「iPhone」を発表し、先行して「iPhone XS」と「iPhone XS Max」は発売されていた。そして先日より日本でもコストパフォーマンスに優れた「iPhone XR」の発売を開始している。
コストパフォーマンスに優れている分、いくつかの機能が搭載されていない「iPhone XR」だが、スペックの多くは「iPhone XS」などと共通になっており、搭載チップセットも7nmプロセスの「A12 Bionic」を搭載している。
それはつまり、ベンチマークの性能は殆ど同じスコアを出せるということを意味するが、現在「iPhone XR」のベンチマークスコアがGeekbenchより明らかになったことで、「iPhone XR」のパフォーマンスが明らかにされている。
目次
「iPhone XR」と「iPhone XS」等のGeekbenchスコアを比較
「iPhone XR」のベンチマークスコア(Geekbench 4)は間違いなく「iPhone XS」や「iPhone XS Max」と殆ど同じスコアを持っていることから、性能面では全く「iPhone XS」に引けをとらないことが分かる。
これによって、3種類の「iPhone」は全て昨年の「iPhone X」と比較してシングルコアは約13%、マルチコアは約10%パフォーマンスが向上している。
「iPhone XR」のGeekbenchスコア含め、その他の「iPhone」のGeekbenchスコアは以下の通り。
- iPhone XR:4,818 / 11,326
- iPhone XS Max:4,813 / 11,096
- iPhone XS:4,807 / 11,382
- iPhone X:4,253 / 10,377
- iPhone 7 Plus:3,488 / 5,965
「iPhone XR」と「iPhone XS」等のAnTuTuスコアを比較
AnTuTuベンチマークは「iOS」搭載機よりも「Android」スマホでよく使われる傾向にあるが、「iOS」でも問題なくパフォーマンスを図ることができる。
しかし、AnTuTuスコアは同じデバイスであっても実行するごとにパフォーマンスが異なることがあるため、AnTuTuスコアを判断材料の最重要項目に持ってくることはオススメしない。(iPhoneに限らず)
だが、「iPhone XR」のパフォーマンスは間違いなく向上しており、CPU性能は「iPhone XS, XS Max」と横一線、GPU性能に関しては「iPhone XS Max」を上回っているのが印象的だ。
これはAnTuTuベンチマークのテスト方法が固定解像度ではなく、デバイスのディスプレイ解像度に依存してスコアを算出するためだと思われる。「iPhone XR」の解像度は「iPhone XS」や「iPhone XS Max」よりも低い解像度を持つ。
そのため、「iPhone XR」の方がGPU性能が優れているという評価になっている。
「iPhone XR」のAnTuTuスコア含め、その他の「iPhone」のAnTuTuスコアは以下の通り。
- iPhone XR:120,183 / 142,593 / 335,174
- iPhone XS Max:121,849 / 117,224 / 309,188
- iPhone XS:115,313 / 103,170 / 305,409
- iPhone X:103,221 / 80,148 / 24,4204
- iPhone 7 Plus:82,458 / 68,334 / 199,060
「iPhone XR」と「iPhone XS」等のGPUパフォーマンス(3DMark)を比較
3DMarkのGPUテストはAnTuTuのようなデバイス依存の解像度ではなく、固定解像度で計測を行うため同じチップセットを搭載している「iPhone XS」、「iPhone XS Max」、そして「iPhone XR」で殆ど同じスコアになっている。
GPU性能に関しては3種類の新型「iPhone」全て、「iPhone X」と同じようなパフォーマンスを持っていることが分かる。
「A12 Bionic」はGPU性能が向上しているのに、3DMarkのパフォーマンスが伸び悩んでいるのは、メモリ帯域幅やキャッシュパフォーマンスがボトルネックになっていると考えられているようだ。
その証拠の1つとして、低解像度時の3DMarkテストでは「iPhone X」よりも優れたパフォーマンスを発揮している。
ご覧のように「iPhone XR」の性能は「iPhone XS」や「iPhone XS Max」と比較しても何ら劣らず、むしろテスト項目によっては勝るという場面もある。
実際に「iPhone XR」を購入する場合に性能が優れているから買おうという理由で買うことはあまりないかもしれないが、パフォーマンス面を心配する必要はなさそうだ。
もう少しコスト面が優遇されれば多くの人に受け入れられるのではないかと思うのだが…
[via 9to5Mac]