
日本でPUBGのプロリーグ設立を目指して開催されているPUBG JAPAN SERIES(PJS)で実際に使用されている機材をご存知だろうか。
PJSは様々なスポンサーにサポートされており、その内の1つの企業にBenQのZOWIEがある。
PUBG等PCゲームをコアにプレイするユーザーなら1度は聞いたことがあるであろうZOWIEは主にゲーミングディスプレイを提供している。
PJS βリーグでもZOWIEはゲーミングディスプレイ「ZOWIE XL2536」を提供している。
さて、あなたはそんなプロゲーマーやそれを目的としたプレイヤーが使っているプロ仕様のディスプレイを使ったことがあるだろうか。
今回はPUBG JAPAN SERIES βリーグで実際にプレイヤーが使用しているゲーミングディスプレイ「ZOWIE XL2536」の機能の紹介や比較を含めてレビューを行ってみたいと思う。
PUBGでドン勝を取りたい人や、まだゲーミングディスプレイを購入したことがないよ!という人は必見だ。
ZOWIE XL2536のオススメ設定等については別の記事にて紹介しているので、気になる方はそちらも参考にしていただきたい。一からベストを探す煩わしさを無くしてくれるはずだ。
目次
BenQ ZOWIE XL2536について
ZOWIEとはBenQが販売している多くの製品の内、特にeSportsにフォーカスを当てたブランドのことで、よりプレイヤーのパフォーマンスを高めることだけに注力し、実際にプロゲーマーと連携を取りながら開発されたゲーミングディスプレイにのみ名付けられるブランドだ。
そんなZOWIEブランドを冠した「ZOWIE XL2536」は、BenQが2018年より販売を開始し、PJS βリーグで実際に使用されている最新のゲーミングディスプレイだ。
画面サイズ:24.5インチ 1920×1080
パネル:TN 非光沢
リフレッシュレート:ネイティブ144Hz
応答時間:1ms
DVI-DL:×1
HDMI:×2
DP1.2:×1
BenQ独自技術DyAc機能
暗所を明るくするBlack eQualizer機能
色の鮮明さを調整するColor Vibrance機能
「ZOWIE XL2536」に搭載されている機能についてざっと紹介
ZOWIE XL2536には一般的なディスプレイと違い、よりゲームで有利に働く機能が搭載されている。
XL2536はPUBG JAPAN SERIESで使用されるモデルなので、これらの機能を使用してもハードウェアチートにはならないので安心していただきたい。
このゲーミングモニターには大きく3つの特徴的な機能が搭載されており、これら機能を使用することでPUBGでゲーム画面にどのような変化が現れていくのかを紹介してみたいと思う。
激しい視点変更でも滑らかにくっきり映像を映し出す「DyAC」とは
DyAc(Dynamic Accuracy)と呼ばれるこの機能は視点が激しく変わる場面で最も効果を発揮する。
PUBGにおける視点が激しく動く場面は索敵時のフリールックや、運転時、そして勝敗の行方を決める撃ち合いの時があるだろうか。
DyAc機能を使うことでどういった違いがあるのか、以下の画像を見ていただきたい。
このように視点が動く場面でDyAcが搭載されていないモニターでは、ぼやけのようにオブジェクトが二重に見えたりすることがある。
これはPUBGのようなFPS・TPSゲームでは邪魔になる。
この余計な画像を表示させないDyAc機能を使うことでこれまでより索敵を行いやすく、撃ち合いも余計な揺れを感じることなく狙いやすくなると感じた。
144Hzのゲーミングモニターで通常のモニターよりも明らかに滑らかに動くのだが、DyAcはその滑らかさに更に磨きをかけユーザーのプレイを助けてくれる。
またこのDyAc機能はBenQ独自技術のものだ。その点でZOWIE XL2536は他のゲーミングディスプレイよりも優れていると言えるだろう。
倉庫のような暗い場所を明るくし索敵しやすくしてくれる「Black eQualizer」とは
ZOWIE XL2536に搭載されている機能にBlack eQualizerというものがある。
このBlack eQualizerは恐らく殆どのユーザーが他のディスプレイと圧倒的に違う!と最も分かりやすく違いを提供してくれる機能の1つだ。(後述するColor Vibrance機能も圧巻)
Black eQualizer機能はPUBGのように家の中や倉庫といった暗所が多く存在し、なおかつ外は明るいといったゲームではかなり重要な機能となる。
Black eQualizerとはその名の通り、暗所の視認性を高める機能だ。
通常PUBGのように外の明るい場所から建物の中のように暗い場所をみると光の反射によって建物の中が暗くて見えない。
しかしXL2536に搭載されているBlack eQualizerを正しく設定してあげると、驚くほど見え方が変わってくる。(左が設定前・右が設定後)
そうすると明るい部分は白くなっちゃうんじゃないの?と思うかも知れないが、これがBlack eQualizerの凄いところだ。
当然数値を上げすぎると白く見えてくるのだが、この機能は明るい部分は過剰に明るくしないようにする設定になっているので、白くなって映像が綺麗じゃないよ!という事には殆どならないだろう。
気になる人はBlack eQualizerの数値はそのままにガンマの設定を変えてみるとより理想に近い映像になると思われる。
色の鮮明さを調整して色の違いをくっきり表示してくれる「Color Vibrance」とは
Color Vibraceの設定を変えることは先程のBlack eQualizerの設定を変えるのと同じぐらい重要で、多くのユーザーが分かりやすく見ているものが変わったと感じられる機能の1つだ。
Color Vibranceは色の鮮やかさを調整する機能で、色の違いをくっきりとさせることができる。
PUBGをプレイするときにも見ている映像がかなり変わる。Color Vibranceの設定次第で草に伏せている敵や麦畑にいる敵の索敵が格段に行いやすくなるだろう。
Color Vibranceを設定してしばらくPUBGをプレイした後に設定前のディスプレイを見てみると、まるで白黒でプレイしているかのように見えてしまう。
しかしこれがZOWIEのゲーミングディスプレイを導入していない、多くのPUBGユーザーが見ている画面の色なのだ。
これだけ色が違うとゲームプレイに大きく影響するということが分かるのではないだろうか。
草の色と伏せている敵が同化してどこにいるのかわからないといったことは、この機能を使用することでかなり軽減されるのではないだろうか。
因みにNVIDIAのコントロールパネルから、デジタルバイブランスという項目をいじることで、Color Vibranceと似たような機能を使うことができる。
PUBGで「ZOWIE XL2536」を見やすく設定する前と後を比較してみる
ここまでPUBGを絡めてBenQのゲーミングディスプレイZOWIE XL2536の特徴的な機能について紹介してきたが、ここからは更にXL2536がPUBG内での見え方にどういった違いをもたらしてくれるのかを、違いがわかりやすい場所や建物にフォーカスを当てて一般的なディスプレイと比較してみたいと思う。
DyAcのオンオフの比較もしてみたいのだが、当方の機材不足(スーパースローカメラ等)により、正確に比較できないため今回はBlack eQualizerとColor Vibrance機能の2つの恩恵を感じられる場所をピックアップしてみた。
Black eQualizerの機能が発揮されるのは先程も述べたとおり、暗い場所だ。
PUBGにおける暗い場所はミリベの倉庫や各町に配置されている倉庫等が上げられるだろう。
Color Vibranceの機能が発揮されるのは、草に伏せている場合や最終フェイズでの麦畑等の索敵で大きく貢献してくれる。
PUBGをプレイする時のZOWIE XL2536の設定について
XL2536を含むゲーミングディスプレイは、デフォルトの状態では発色が強すぎる傾向にあり目に優しい状態とは言えない。
そのためゲーミングディスプレイを購入した際には自分の環境に合う設定にしなければならない。
現在僕がXL2536でPUBGをプレイする際に適用させているこの設定はPUBGで敵を見つけやすく、暗所でもしっかりと明るく見えるように設定し、なおかつ長時間の使用でも耐えうる設定だ。
Black eQualizer:14
色の鮮明さ(Color Vibrance):15
輝度:70
コントラスト:65
シャープネス:7
ガンマ:3
AMA:プレミアム
ブルーライト軽減や色温度の設定は触っていない。
ZOWIE XL2536の設定については別の記事にてまとめているので、XL2536を購入・購入検討している方は見てもらえると細かな設定に多くの時間を費やす必要がなくなるだろう。(ゲーム使用以外の設定についても紹介している)
設定前と後では明らかに見え方が違う「ZOWIE XL2536」
もしあなたがXL2536(若しくは上位モデルのXL2546)を既に持っている場合、この設定を適用させて見て欲しい。
明らかに見え方が違うはずだ。
XL2536はデフォルト状態でも他の一般的なディスプレイと比べて圧倒的に索敵等しやすい明るさや色味にはなっているが、如何せん発色が強くて長時間のプレイは難しい。
この設定を適用することで、よりPUBGで敵を見つけすく、狙いやすい設定にすることができ、また目への刺激もできる限り抑えた設定となっている。
より自分の好みに近づける設定方法についても上記記事にて書いているので参考にしていただきたい。
それでは設定を終えたXL2536と一般的なディスプレイでPUBGでの見え方がどう違っているのか実際に比較していこう。
ミリベの倉庫での見え方の違い
XL2536で見えている映像と今回の比較に用いた一般的なディスプレイの見え方の違いだ。左(上)が一般的なディスプレイ、右(下)がZOWIE XL2536だ。
あなたにはどう見えるだろうか。
圧倒的に見えているものが違うということが分かるはずだ。
僕は今回の比較に用いている一般的なディスプレイを実際にPUBGで長い時間使っていた。
XL2536を使ってPUBGをプレイすると、前のディスプレイには戻れない。それ程までに違う。
本来見ている映像は同じはずだが、倉庫のシャッターの色も大きく違うことが分かる。
これはXL2536でColor Vibranceの設定をし、色の鮮明さを調整しているからだ。
近くだから、こんなに見え方が違うんでしょ?と聞こえてきそうなので、少し離れたところからも同じ倉庫の見え方を比較してみる。
ご覧のようにXL2536は離れていても敵を見つけるに十分な明るさを提供してくれる。
さすがに距離が離れると、倉庫右側の青いコンテナ付近に隠れられると見落とす可能性はある。
しかし比較用のディスプレイと比べてみると雲泥の差だ。
あなたがPUBGのようなFPS・TPSゲームで上手になりたいと思う時、よりよい環境でプレイしたいと思う時、これほどまでにあるディスプレイの見え方の差を許容できるだろうか。
今回の機会で僕は一層ディスプレイが最も重要な機材の1つであると改めて再認識させられた。
まとめ
ZOWIE XL2536はこれまで見ていただいた通り、ゲーム用途においては信じられないほどのパフォーマンスを発揮する。
基本的にブラウジングや動画再生、そしてPUBG等のゲームプレイにおいては何の問題も生じないディスプレイであることは明らかだ。
反面、デザイナーのように原色に拘るユーザーには適さない。
とはいえ、デザイナーのように原色再現率を重視するユーザーはゲーミングディスプレイは選ばないだろうから、コレ自体は大きな問題ではないのかも知れない。
ゲーミングディスプレイというパフォーマンスの拘ったディスプレイというものはやはり高価だ。
しかし僕はディスプレイの記事を書くと毎回と言っていいほど書くようにしてるのだが、ディスプレイを買い換える頻度とグラボやCPUのようなパーツの買い換える頻度を天秤にかけてみてほしい。
明らかにディスプレイはこれらパーツに比べて買い換える頻度は少ないだろう。
またグラボのように1世代違えば性能が全く違う、という事にもなり辛いだろう。
2018年にリリースされたゲーミングディスプレイを購入したが、次の年には新しいのが出たから買い換えないと…なんて自体はプロゲーマーであっても起こりづらいと思う。それ程までにこのZOWIE XL2536のパフォーマンスは凄いものだった。