株式投資やFXという金融市場に足を踏み入れる初心者トレーダーは、最初から本番口座でトレードを行う前に基本的にデモ口座でトレードのイロハを学ぶことが普通であり、多くの著書やメディアでそれが勧められている。

 

トレーダーはテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を行いながらトレードシナリオを立て、自分のエントリーポイントまで待ち、実際にエントリーし利益の確定やそれ以上損失を拡げないために損切りを行う。

これらを行う時は偏ったバイアスや感情を持ち込まずに行う必要が絶対である。

この一連の流れを自分のルールに沿って淡々と続ける必要がある。

 

人間として感情を完全に取り除くことは不可能であるが、経験や知識、考え方を吸収することでトレードと感情を切り離すことはできるようになる。当然簡単なことではない

 

当サイトではそういった精神状態や感情という部分にフォーカスを当て、正しくマインドセットを行うための手助けをさせていただきたい。

 

デモトレードと本番トレードでの決定的な違いを理解することが第一歩

デモ口座とは言えトレードのやり方は本番口座と大差ないため、基本的な流れやトレードスキル、手法に基づいたトレードシナリオの作成、基本的なリスク管理について学ぶことができる。

僕はそれを否定するつもりはないし、紛れもない事実だと思っている。

 

デモトレードで十分に収益を上げることができるようになってくると初心者トレーダーは本番口座、つまり実際にリアルマネーを賭けてトレードを行おうとする。

初心者トレーダーはデモトレードで十分に勝てるようになったから、本番口座でも”同じこと”をすれば問題ないため順調に資産を築いていけると考える。

デモトレードで勝てるようになり本番口座でも同じことができるとすれば、初心者トレーダーは時間を重ねるごとに資産家へと変わっていくだろう。

 

株式投資やFXという金融市場に足を踏み入れるトレーダーは皆同じように考え、同じように成長していこうとする。

しかし蓋を開けてみれば市場参加者のおよそ9割は資産を築くことはおろか、資産を減らして市場から退場しているのである。

 

デモトレードではあんなに順調に収益をあげられるようになったのに、どうして本番口座ではそのように行かないのだろうか。

デモトレードと本番口座での取引レートが同じであるという前提が成り立つとするならば、デモトレードと同じことをすれば勝てると言うのは当然の話しであるが、上手く行かないということは明確に違う”何か”がデモトレードと本番口座でのトレードにはあるのだ。

 

デモトレードと本番口座でのトレードの明確な違いは日の目を見るよりも明らかである。

それはお金(リアルマネー)を賭けているかどうかである。

 

人間には感情という物事に対して抱く気持ちというものがある。デモトレードではどれだけトレードしても自分の身は削られない。それは実際に収益を上げる喜びや損失に対する悲しみや怒りといった感情を抱くことがないことを表す。

人間社会において感情というものは切っても切れない関係にあるが、あなたが安定して収益を上げていくトレーダーになるためには、この感情と言うものについてよく理解しておく必要があり、トレードとは切り離す必要がある。

 

どれだけ確実性の高い完成されたテクニカル手法や未来の企業を見据えるファンダメンタルズ分析といった技術を持っていたとしても、トレーダーの精神(心)の準備ができていないとすればそれらの技術は何の意味もない

逆に言えば精神の準備ができていれば、複雑すぎるテクニカル手法は無くとも十分に収益を上げることはできるということだ。

優れたトレーダーと言うものは得てしてこの精神の準備がしっかりできているのだ。

 

多くのトレーダーはトレードと感情を切り離すことができていない。これはあることを思い出すとはっきりと分かる。

あなたがデモトレードで経験を積んでいる最中と、本番口座に移行して初めてエントリーを行ったときのことを思い出して両者を比較してほしい。

ドキドキしなかっただろうか。いつもよりも鼓動が速くなるあの感覚だ。手に汗握り落ち着かなかった人もいるだろう。

 

それがデモトレードとリアルマネーを賭けて行うトレードの決定的な違いだ。

あなたが優れたトレーダーになるためにはこれらのノイズは必要ない

 

デモトレードではお金が減ることによって生み出される感情が生まれない

デモトレードで十分に収益を上げられずに多くのミスを犯した場合、悔しさといった感情は生み出されるかもしれないが、自分の身は削られていない。

これに対してリアルマネーを賭けてトレードを行い同じように損失を重ねていくと、悔しさといった感情もあるが自分の身が削られていくことで焦燥感やこれ以上損したくないといった感情が生まれる。

 

既に経験している人もいるかもしれないが、こういった場合本来トレードに必要のない感情がトレードシナリオに介入し始める

損切りポイントをシナリオとは違う場所に設定したり、シナリオではもう少し伸ばすべき場所で早々に手仕舞いを行ってしまったり、最悪の場合自分の資金に到底見合わないようなロット数でギャンブルをしてしまっていたり。

この場合一番恐ろしいことは、通常考えられないようなシナリオでエントリーし利益を上げることができてしまった場合だ。

 

金融市場で多くのトレーダーが退場に導かれてしまう要因には偶然得てしまった成功によって普段のシナリオ作成からエントリー決済まで滅茶苦茶になっていくことにあると思っている。

自分が検証によって作ったトレードルールを破ることは結果的に破滅への第一歩なのである。

それ程までにトレードにおいて感情は余計で恐ろしいのだ。

 

まとめ

  • トレードは一喜一憂するものではなく淡々と続けること
  • デモトレードと本番口座でのトレードの決定的な違いは損失で痛みを伴うか否か
  • トレードルールを破ることは破滅への第一歩

 

ここまで読み進めていただいたあなたはデモトレードと本番口座でのトレードが似ているようで大きく違うということをお分かりいただけただろうか。

熟練したトレーダーになるためにはこの大きな違いについて理解する必要があり、同時に自分という人間を知る必要がある。

トレードにおける快感や痛みによって生まれる感情や行動を理解していくことで、常に冷静なトレードを行うことができるようになる。

 

あなたが熟練したトレーダーになるために当サイトが少しでもお役に立てれば嬉しい限りである。

 

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