Samsungが同社の新しいチップセット「Exynos9820」を発表した。

「Exynos9820」は「Kirin980」にも搭載されているようなNPUを内蔵しており、デバイスで様々なAI処理が行えるようになっている。

「Exynos9820」は大幅なパフォーマンスの向上というよりも、とにかくAI処理性能の向上していることが大きな特徴になりそうだ。

「Exynos9820」の専用AIチップによってAI性能は約7倍に

Samsungによると、「Exynos9820」に搭載されているNPUはAIの処理性能を現行の「Exynos9810」と比較して約7倍優れたパフォーマンスを発揮することができるという。

これによってデバイス自体でAI処理を実行することができるようになるため、処理タスクをサーバーに送信する必要がないという。

これは、「Exynos9820」のAI性能が大幅に向上しているだけでなく、個人情報の取り扱いなどのセキュリティ面も大幅に強化されていることを意味する。

AI性能が大幅に強化された「Exynos9820」では周囲の環境に基づいてカメラの設定を即座に自動で調整することや、拡張現実(AR)やVRのオブジェクト認識等、様々な点で新しい経験を提供することができるという。

つまり「Exynos9820」が搭載されるデバイス(おそらくGalaxy S10)はカメラ性能が現行の「Galaxy Note9」よりも大幅に向上することが期待できる。

「Exynos9820」の製造プロセスや搭載コアについて

Samsungの新型チップセット「Exynos9820」はAppleの「A12 Bionic」やHuaweiの「Kirin980」、そしてクアルコムの「Snapdragon8150(855)」と異なり製造プロセスは8nm LPP FinFETを採用している。

そのため「Exynos9820」は性能が向上されているものの7nmプロセスを採用するチップセットほどの衝撃は望めない可能性がある。実際のパフォーマンスについては今後明らかになるベンチマークを待って判断したいところ。

また、「Exynos9820」には2つのカスタムコア(Exynos M4)と2つの「Cortex-A75」コア、そして4つの「Cortex-A55」コアが搭載されており、それぞれ最適なパフォーマンスを発揮する。

Samsungによると「Exynos9820」はシングルコアで約20%、マルチコアで約15%の性能向上を達成したと言い、電力効率は40%向上し、省電力性は35%向上している。

「Exynos9820」ではグラフィック(GPU)に関する処理は「Mali-G76 MP12」で行われる。

新型「Exynos9820」と現行「Exynos9810」のスペック比較

  Exynos 9820 Exynos 9810
プロセス 8nm LPP FinFET 第2世代 10nm FinFET
CPU Dual-core (Custom CPU) + Dual-core (Cortex-A75) + Quad-core (Cortex-A55) 最大2.9GHz Quad-core (Custom CPU) + 最大1.9GHz Quad-core (Cortex-A55)
GPU ARM Mali-G76 MP12 Mali-G72 MP18
ディスプレイ WQUXGA (3840×2400), 4K UHD (4096×2160) WQUXGA (3840×2400), 4K UHD (4096×2160)
LTEモデム LTE-Advanced Pro Cat.20 8CA 2Gbps (DL) / Cat.20 3CA 316Mbps (UL) LTE Cat.18 6CA 1.2Gbps (DL) / Cat.18 2CA 200Mbps (UL)
ストレージ UFS 3.0, UFS 2.1 UFS 2.1, SD 3.0
メモリ LPDDR4x LPDDR4x
カメラ リア 22MP, フロント 22MP, デュアルカメラ 16MP+16MP リア 24MP, フロント 24MP, デュアルカメラ 16+16MP
動画 10ビットHEVC(H.265)、H.264、VP9コーデックを使用した8K 30fpsまたは4K UHD 150fpsエンコードおよびデコード 4K UHD 120fps 10ビットHEVC(H.265)、H.264、VP9コーデックによるエンコードおよびデコード

「Exynos9820」の特徴について

「Exynos9820」はディスプレイ解像度を最大WQUXGA (3840x2400)、4K UHD (4096x2160)までと「Exynos9810」と変わらないが、動画に関しては8K 30fpsの撮影をサポートし、4K解像度で150fpsまでの撮影に対応した。(Exynos9810では4K120fpsまで)

また、カメラはリア・フロントともに22MPをサポートし、デュアルカメラ構成の場合は16MP+16MPに対応するようだ。

個人的に最も興味深い点として「Exynos9820」はストレージ規格UFS3.0に対応しているため、現行UFS2.1よりもメモリ帯域幅が2倍になる事が期待できる。

読み書きのスピードが向上することはユーザーの使用感に直結するためこの点は大きいと考える。

そんなSamsungの「Exynos9820」チップセットは年末までに量産予定だという。

それはこれまでのSamsungが取ってきた流れに則ると2019年はじめに発表するフラッグシップモデル(つまりGalaxy S10)に「Exynos9820」が搭載される可能性が極めて高いことを意味する。

「Galaxy S10」には市場によって搭載されるチップセットが異なり、この「Exynos9820」かクアルコムの「Snapdragon8150」が搭載されることになるはずだ。

クアルコムの「Snapdragon8150」は7nmプロセスで製造されるため、この「Exynos9820」よりもパフォーマンスが優れている可能性がある。

「Galaxy S10」に関する新しい情報が入り次第すぐにお伝えしたいと思う。

[source Exynos9820 , プレスリリース] 
[via SamMobile , TheVerge]

 

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